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『資産防衛ナビ』では、大切な財産をお守り頂くため、富裕層の皆様に
『節税』・『資産運用』・『資産の海外移転』に関する最新情報をご提供致します。
突然ですが、皆さんに質問があります。
現在、全国の富裕層が最も関心を寄せている2つのテーマは何でしょうか?
答えは以下のテーマです。
- 『大増税時代の到来』
- 『日本の財政破綻の可能性』
そして今、富裕層は「大増税時代の到来」と「日本の財政破綻」に備えて、自身の『資産防衛』に最も時間を費やし、行動に移しているのです。
ここで、富裕層だけが知っている『資産防衛術』をお伝えする前に、先ずは富裕層が注目する1つ目のテーマ『大増税時代の到来』を予感させる給与所得及び相続に関する増税概要を以下の表にまとめましたのでご覧下さい。
給与所得に関する増税概要
- 1. 給与所得控除の見直し
- ⇒年間の給与所得が1,500万円を超える給与所得者について、給与所得控除の最高額を245万円とする。平成25年1月以降に支給される給与所得より適用開始。
- ※給与所得控除額に関する早見表
給与等の年間収入金額(A) 給与所得控除額 180万円以下 A×40%
(65万円未満の場合は65万円)180万円超360万円以下 A×30%+18万円 360万円超660万円以下 A×20%+54万円 660万円超1,000万円以下 A×10%+120万円 1,000万円超 A×5%+170万円 ↓ 改正後
給与等の年間収入金額(A) 給与所得控除額 180万円以下 A×40%
(65万円未満の場合は65万円)180万円超360万円以下 A×30%+18万円 360万円超660万円以下 A×20%+54万円 660万円超1,000万円以下 A×10%+120万円 1,000万円超1,500万円以下 A×5%+170万円 1,500万円超 245万円 - 2. 短期勤続役員の退職所得課税に見直し
- ⇒会社役員で、役員の勤続期間が5年以下の場合に支払いを受けた退職金については、退職所得控除後の金額の全額が課税対象とされることとなる。平成25年1月以降に支給される退職所得より適用開始。
- ※退職所得課税に関する早見表
改正前 {(退職金の収入金額-退職所得控除額)÷2}×税率=税額 改正後 (退職金の収入金額-退職所得控除額)×税率=税額
相続税の増税案
下表は、相続税に関する税制抜本改革案として公表されている事案をまとめたものです。
平成27年1月1日以降の相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用される予定です。
内容 | 従来 | 変更案 |
基礎控除の減額 | 5,000万円+ (1,000万円×法定相続人) |
3,000万円+ (600万円×法定相続人) |
---|---|---|
最高税率の引き上げ | ※下表参照 | |
死亡保険金の 非課税対象の縮小 |
非課税金額500万円×法定相続人 ※被相続人と同居していなくても、 500万円の基礎控除が受けられる。 |
非課税金額500万円× 法定相続人のうち相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者の数 ※同居していないと、500万円の基礎控除が受けられない。 |
※相続税の最高税率引き上げに関する早見表
法定相続分に基づく取得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | - |
1,000万円超~3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
3,000万円超~5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
5,000万円超~1億円以下 | 30% | 700万円 |
1億円超~3億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円超 | 50% | 4,700万円 |
↓ 改正後
法定相続分に基づく取得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | - |
1,000万円超~3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
3,000万円超~5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
5,000万円超~1億円以下 | 30% | 700万円 |
1億円超~2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
2億円超~3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
3億円超~6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
①1億円超の税率区分の細分化
②最高税率が55%へ引き上げ
その他、増税案に関する事象
上記項目の他に、現時点では保留となっていますが、橋下徹大阪市長率いる『大阪維新の会』が、次期衆院選公約「船中八策」の中で掲げている政策の中で、富裕層が注目している項目があります。それは、『※資産課税の強化』です。
※資産課税とは:
土地、建物、機械などの資産に課される税金で、固定資産税、不動産所得税、相続税、贈与税などが資産課税に該当する。今回の『資産課税の強化』とは、既存の資産課税に加えて、金融資産にも課税しようとするものである。例えば、橋下市長は預貯金に課税する『貯蓄税』について言及している。
更に、橋下市長は『相続税100%』にも言及していました。これは、不動産などの遺産の全てを徴収することを意味しています。「船中八策」では、資産を残さない「一生涯使い切り型人生モデル」を提唱しており、消費を促す税制を積極的に採用し、経済の活性化を図ることを目指しているようです。
ところが、今年3月に、大阪維新の会幹事長の松井一郎大阪府知事は、「日本から富裕層が海外に出ていく懸念がある」という理由から、『船中八策』から資産課税強化の項目を削除する可能性を示唆したため、現在では保留事案となっています。
しかしながら、一度は話題に上がった『資産課税の強化』。今後も動向に注目する必要があると考えられます。
『大増税時代の到来』に関するまとめ
給与所得に関する増税は既に施行が決定しています。相続税案についてもいずれ可決されることと思われます。また、大阪維新の会の動きにも注意が必要です。
このような状況の中、大増税時代はもう目の前に迫ってきていると言っても過言ではありません。2012年度では可決されたかった様々な増税案も、案として出ている以上はいつか必ず可決されることでしょう。
以上のような背景のもと、富裕層たちは『大切な資産を守り、後世に残す』ことを目的として、一般の人では入手できない様々な「節税術」に関心を寄せ、そして実行しているのです。
次に、富裕層が注目する2つ目のテーマ『日本の財政破綻の可能性』について考えてみたいと思います。
日本の総債務残高
皆さんは、現在日本が背負っている借入金(債務)の合計金額をご存知でしょうか。
その答えを明らかにするため、IMF(国際通貨基金)のデータを基に、当社でグラフ化しましたのでご覧下さい。
上記グラフの数値には国債発行による借入、つまり国民に対する借金を含めた、日本の債務の合計金額の推移です。2011年及び2012年は推計数値ですが、1,000兆円を超えています。
財政状態に関する日本とギリシャの比較
次に、現在財政破綻の可能性が最も高いギリシャと比較して、日本の財政はどのような状況になっているのかを見てみようと思います。
以下のグラフは当社がIMFのデータを基に、日本とギリシャ各々の政府総債務残高の対GDP比(政府総債務残高÷GDP)の推移をグラフ化したものです。
上記グラフを見ると、2000年頃から日本の財政状況はギリシャよりも悪い兆候が見えていると言えます。
このような日本の財政状況を踏まえて、今年の1月にゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのジム・オニール会長が金融総合情報サイトを運営するブルームバーグに対して以下のコメントを発表しました。
※参照URL: http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LXZ7UE1A74E901.html
日本は経常黒字を維持する能力を失いつつあるように見える。さらに1%の国債利回りや公的債務のGDP(国内総生産)比率が200%であることを考えると、円は恐らく少なくとも25%過大評価されている。
日本国債のショートポジション(売り持ち)が利益を生む日がますます近づいている。
これは、日本国債が暴落する可能性があることを意味しています。即ち、日本国債が暴落する要因の1つでもある、『日本の財政破綻』の可能性を指摘したものです。
上記の記事に対しても、富裕層は敏感に反応し、自身の『資産防衛』を今まで以上に意識しているのです。
財政破綻に陥った場合の生活環境の変化
ところで、『日本の財政破綻』が現実となった場合、私たちの生活環境はどのようになるのでしょうか?通常、財政破綻に陥った場合、以下のプロセスを経ると言われています。
財政破綻 ⇒ 日本国債の暴落 ⇒ 円の暴落 ⇒ ハイパーインフレ(物価の急上昇) ⇒ 預金封鎖
- ・円の暴落(急激な円安)
- ⇒ 輸入商品価格の急上昇に伴う「ハイパーインフレ」が想定されます。
- ・銀行における預金封鎖及び預金引き出しの制限
- ⇒ 日本国内において、戦後に預金封鎖及び預金引き出しの制限が実施された事例があります。
また、財政破綻を招いた海外諸国の事例を調べると、国内資産を海外に移転させないようにするために、預金封鎖が実施されているケースが見られます。 - ・円から外貨への両替の制限又は禁止
- ⇒ 預金封鎖同様、国内の資産を海外に移転させないようにする措置が考えられます。
富裕層にとって、一番の懸念事項は財政破綻により自身の財産が全て国に没収される、又はデノミ等の政策によって、自身の財産の価値が大幅に減ってしまうことだと思います。そして、今、富裕層は『大増税時代の到来』と同じように、『日本の財政破綻』に備えて、『資産防衛』に注力しているのです。
『大増税時代の到来』及び『日本の財政破綻』に備えて、富裕層が注目している『資産防衛』に関するポイントは以下の3つに集約されます。
- 他の富裕層が採用している節税
- 安定的なパフォーマンスが期待できる金融商品への投資
- 積極的な海外投資
富裕層はいつも貪欲に様々な情報を集め、自分自身の資産防衛に生かしています。
冒頭でも書きましたが、『資産防衛ナビ』では、富裕層だけが持っている金融に関する最新情報をいち早く皆様にお届け致します。今後の『資産防衛ナビ』にご期待下さい。